その4:フラクタル分析の応用~エリオット波動論に当てはめる~
★その4:フラクタル分析の応用~エリオット波動論に当てはめる~
上昇5波、下降3波という相場のパターン概念を取り入れたエリオット波動論。
このエリオット波動も、波をクローズアップするとフラクタル構造になっています。
これは、長時間足チャートの値動きの傾向は、短時間足の値動きに影響するということを意味しています。
では例えば、長時間足が上昇5波の最中である場合、短時間足にも強い上昇のサインが現れるのか?
これは、その通りです。
長期足が上昇トレンドの最中であれば、短時間足の下値も固くなり、下がっても拾われやすい環境に支配されています。
逆に長期足で天井をつけて、下落3波に途中していたら、短時間足も上値が重くなり下げやすくなるでしょう。
結局は、長時間足も短時間足も、お互いにシンクロした動きになっていきます。
短時間足チャートだけを見てトレードすると、近視眼的になってしまい、相場の流れを見失ってしまいます。
しかし、エリオット波動のようなパターンの中のフラクタルな値動きだけに絞ってトレードしていけば、無駄な売買が省かれてトレードの成績改善に繋がるでしょう。
例えば、上昇5波の上げの波だけを狙ってみる。
長時間足の調整波から再び上昇の波に回帰していく動き。
これは、いわゆる押し目買いのタイミングです。
そのタイミングを長時間足で確認できたら、短時間足でポジションを建てるタイミングを合わせます。
↓
このユーロ円の1時間足を5分足で見てみると……。
↓
長時間足が上昇波の最中は、下げ止まったところが押し目買いポイントになりやすいです。
今現在の相場が、エリオット波動のどの波に該当するのかを分析して、取引をしましょう。
■"波"を切り取ってフラクタルに考える
エリオット波動の"波"を、それぞれ切り取って考えます。
例えば、上昇5波の中にも上昇の波と下落の波があるように、それぞれの波を部分ごとに切り取ってクローズアップし、都合の良い場面だけを取引するという考えです。
長時間足のエリオット波動のうち、一番勢いが強い第1波を長時間足で表示すると、
↓
この第1の波だけを切り取って、短時間足で見てみます。
↓
非常に綺麗なアップトレンドが描かれます。
これは長時間足の強い上昇の波が短時間足にフラクタルな影響を与えているからです。
このように、長時間足をメインに波を細分化して見てやれば、どのような環境下で仕掛けているかが明確になります。