その2:フラクタル分析の応用~チャートの時間枠の支配関係~
★その2:フラクタル分析の応用~チャートの時間枠の支配関係~
■ローソク足の長時間足と短時間足の関係性
"時間の大きな流れは、小さな流れを支配する。"
この、相場の原則を利用すれば、ポジションを建てるタイミングが見えてきます。
フラクタル分析のベースとなる考え方になりますので、少し詳しく解説してみました。
■長時間足と短時間足を比較して売買タイミングを検証
FXのローソク足チャートには、1分足から月足までの時間足を、複数表示する機能があります。
この機能を使って同時に複数のチャートを監視して、エントリーのタイミングをはかるという方法。
例えば、1時間足のような時間が長いローソク足の場合。(1時間足は、ローソク足1本の値動きが1時間です。)
時間が長いローソク足は、1分足や5分足のような、時間設定が短いローソク足の値動きを支配する傾向があります。
1時間足と1分足を同時表示させて比較してみます。
↓
1時間足の赤丸で囲んだ部分が、1分足の上昇赤ライン部分です。
両方のチャートを比較すると分かるように、1分足では急騰しているようですが、1時間足では調整の最中となっています。
1分足チャートの強い値動きを信じて買うか?
それとも、1時間足の調整の動きを信じて売るか?
"時間の大きな流れは、小さな流れを支配する。"
この原則が適用するなら、もちろん、この場面は売りということになります。
この後の値動きがどうなったのかというと……。
↓
高値を切り下げたところで、元の下落調整の流れに回帰しようとしています。
このタイミングで売りを仕掛ければ、短時間でいくらか利食いできるでしょう。
ロスカットポイントは、1分足の上昇でつけた高値を基準にすると損失が少なくて済みます。
どんどん下がります。
↓
このように、時間枠の違うローソク足を複数監視することで、相場の方向性が明確になり、その方向に沿って取引をすれば、おのずと勝率が上がります。
■日足の傾向はとても大事
デイトレーダーのように短い時間で取引を完結してしまうタイプの人には、日足チャートを見る意味は無いと考えている人もいます。
ですが、日足には相場環境の全体像が映し出されているで、絶対にチェックしておいた方がいいです。
例えば、2017年度のドル円の日足チャート。
2016年に円高相場が終わり、上昇トレンドを形成した後、2017年以降は上下に高値と安値を形成したレンジ相場になっています。
こういう局面では、長期間に渡っての強気や弱気相場が発生しにくいです。
赤丸で囲んだ辺りの当面の高値に近づくにつれて売り圧力が強まり、当面の安値に近づくほど買い圧力が強くなるのがセオリー。
そうなると、10円幅以上のホームランを狙うような売買で勝つのは、難しいことが分かります。
このように、日足は、相場の環境を把握するのに重要な情報を与えてくれるので、ぜひ監視対象に入れてみてください。
次回の記事では、フラクタル分析を用いたトレード戦略と、MT4の"フラクタル"というツールについて解説してみました。
ぜひ参考にしてみてください。
フラクタル分析の応用~トレード戦略とテクニカルツール~へ続く