フラクタル分析とは?~ローソク足1本が支配する動き~
★その1:フラクタル分析とは?~ローソク足1本が支配する動き~
■フラクタル分析の概要
フラクタル分析とは、フランスの数学者ブノワ・マンデルブロという人物が考えた"幾何学"に関する理論を、トレードに応用した分析方法です。
フラクタルを日本語で言うと自己相似(じこそうじ)といいます。
これは、全体が細部と相似しているということを意味していて、FXにおいては、長時間足チャートに現れる値動きのパターンは、短時間足チャートの中にも現れる。
もしくは、長時間足の傾向が、短時間足に強い影響を与える、ということを意味しています。
相場の格言に、木を見て森を見ずという言葉があります。
これは、1つの時間枠のチャートだけ見ていると近視眼的になり、相場全体の流れが見えなくなるという意味です。
相場には、大きな流れが小さな流れを支配するという、基本原理のようなものがあります。
例えば、長時間足で上げている時には、短時間足でも下値が固くなり、上がりやすくなる。
常に相場の全体像と直近の値動きを比較しながら、トレードをしなさいという言い伝えです。
さて、そんなフラクタル分析ですが、これをトレードに応用したらどんなメリットがあるのでしょう?
解説していきたいと思います。
■フラクタル分析が分かるとどうなる?
例えば、1時間足が一本調子で上がるような値動きをしていたとします。
こういう値動きです。
↓
このドル円1時間足には、陽線が連続して発生しています。
こういう値動きを5分足にクローズアップしてみると、次のような感じに。
↓
綺麗な階段を描くようにトレンドが発生しています。深い押し目もありません。
さらに、この5分足を秒単位に値動きが刻まれるティックチャートまでクローズアップすると、陽線が連続して現れているところには同じように、綺麗な階段トレンドが現れるということになります。
このように、長時間足の傾向が短時間足に影響を与えて、同じような値動きになっていくことを"フラクタル"な動きといいます。
■フラクタル分析の活用方法
上で紹介した画像のように、陽線が連続して現れるタイミングで、短時間足チャートを見てタイミングを計るというやり方。
この場面は、押し目が少ないということが前提なので、"リスクを少なくリターンは多く"の損小利大のトレードができます。
短時間足でトレンドが出ても、長時間足で動く気配が無ければ、トレードはしません。
あくまでも、長時間足と短時間足チャートの様子がマッチしたところを狙っていきます。
このように長時間足と短時間足を同時に監視することで、無駄な取引を絞れるメリットがあります。
次の記事では、フラクタル分析の基本原理である、チャートの時間枠の支配関係について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
フラクタル分析の応用~チャートの時間枠の支配関係~へ続く